日本では気軽にペットを飼うことができますが、海外には免許制度を導入する国があるのをご存知でしょうか?この記事では、海外の免許制度事情から見習うべきポイントをまとめした。
実際に私も保護猫を3匹飼っていますが、譲渡の要件などを見てみると、ひとり暮らしだし高齢なので、譲ってもらえません。なぜこのような要件があるのかを自分の経験からも考えたいと思います。
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ペットを飼うのに免許が必要?
日本においては、ペットを飼うのに資格は必要ではないのですが、国によっては必要な場合もあるようです。
スイス、ドイツ、中国の状況を紹介します。
スイスの「飼い主資格」
- スイスでは、犬を飼う際に「飼い主資格」の取得が義務付けられています。
- 初めて犬を飼う人は、基礎的な飼育方法を学ぶため最低約4時間の講習を受けます。
- 飼育から1年以内に実技テストをパスしなければなりません。2匹目を飼う際にも同様のテストが必要です。
- 「犬税」の支払いも飼い主に義務付けられています。
- 犬のフン処理も義務付けされており、違反した場合は罰金が徴収されます。
ドイツの「飼育免許制度」
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- ドイツでは、闘犬で知られる危険犬種を飼育する場合のみ「飼育免許」の取得が求められます。
- 犬に関する知識が問われる「理論テスト」と、獣医師による「実技テスト」を通過しなければなりません。
- 日本と比較するとハードルは高めですが、安全な飼育環境を整えるために重要な制度です。
中国のペット産業
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- 中国では、ペット産業が過去10年間で急成長しています。
- 2019年には一時的にアメリカを超えてペット飼育数で首位に立ちましたが、その後アメリカに大きく差をつけられています。
- 中国は世界で2番目に多くの猫を飼っており、約5300万匹のペット猫がいます。アメリカには及びませんが、他国よりもはるかに多くの猫を飼っています。
ペットを飼うのに年齢制限はある?
ペットを飼う際の年齢制限は国や地域によって異なりますが、一般的に法律で厳格な年齢制限は設けられていません
。しかし、ペットを飼う際には以下のポイントを考慮することが重要です。
猫の寿命と介護
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- 猫の寿命は昔と比べて伸びていて、完全室内飼いで約15年です。
- 高齢者が猫を飼う場合、飼い主の年齢が80歳を超える可能性もあります。
- また猫も高齢になれば介護が必要になることも考慮した方がいいでしょう。
飼い主の高齢と介護
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- 高齢者も年を取り、以前のようにお世話ができなくなることがあります。
- 高齢者が猫を飼う場合、飼い主の年齢が80歳を超える可能性もあります。
- 入院や施設に入所した際、ペットが自宅に残されるケースも考慮してください。
終活とペットのケア
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- 終活を意識する際、ペットのことも考慮しましょう。
- 後継人を付けることや、猫のカルテを作成することが大切です。
高齢者がペットを飼うとき、気を付けるポイント
高齢者がペットを飼う場合、以下の点に注意することが重要です。
- 後見人の存在: 飼えなくなったとき、残されたペットの世話をしてくれる人を見つけておく必要があります。一時的に入院することになった場合も、家族や周囲のバックアップがあるか、考えておく必要があります。
- 体力に見合う種類を選ぶ: 猫は平均3kg程度なので、体格的には問題ないと思いますが、非常にすばしっこく、物陰に隠れてしまう習性がありますので、猫特有の動きについていけるかが問題となります。
- 金銭的に余裕があるか: ペットを飼うには、フードや猫砂などお金がかかります。具合が悪くなった場合は、動物病院に連れて行かなければなりませんし、治療費もかかります。
- ペットの病気に注意: 高齢者がペットを飼う際に気をつけたいのは、ペットの病気や怪我です。また、飼い主自身も感染症に気を付けなければなりません。
- 身体能力低下に伴う世話の難しさ: 高齢者がペットを飼う際の懸念点として、飼い主の身体能力低下に伴う世話の難しさがあげられます。
- 認知症や記憶力の低下に伴う世話の難しさ: 高齢者になると、認知症を発症するリスクが高くなります。認知症を発症していなくても、歳をとるにつれて、記憶力や理解力、判断力、自制心などが低下していきます。
- ペットの世話をし続ける責任が必要: 高齢者の方がペットを飼う場合は、生涯世話をし続けられるかどうかを考えましょう。
高齢者がペットを飼うメリット
- アニマルセラピーの効果:動物とのふれあいは人の心を癒し、アニマルセラピーの効果が期待できます。認知症患者に対しては、周囲の人との関わり合いや発言が増え、笑顔になるといった社会性の向上が見られました。
- 健康維持の助け:ペットの散歩や食事の時間に合わせて起床したり、運動したりすることで、自然に規則正しい生活ができるようになります。犬を飼育している高齢者は、そうではない高齢者と比べるとBMI値が低いことや、1週間あたりの身体的行動回数が多いことが確認されました。
- 社会とのつながり:ペットを迎えることで、同じ動物種と暮らしている飼い主とのコミュニケーションが増える可能性があります。ペットがもたらすコミュニティによって、生きがいが増えるかもしれません。
- 記憶機能の維持:ペットの世話をするため、餌の量や回数、おやつの時間などを日常的に記憶するため、脳に刺激を与えられます。
- 運動不足の解消:ペットとの散歩や遊びは、運動不足の解消につながります。
- 幸せホルモンの分泌:ペットと触れ合うことで、幸せホルモンとも言われるオキシトシンが分泌され、心地よい気分になることがあります。
まとめ
ペットを飼うことには責任が伴います。日本においては、ペットを飼うときに資格は必要はないですが、国によっては必要な場合もあるようです。また年齢制限についても、どの国も法規制はないですが、高齢者がペットを飼う際には、ペットの世話ができる体力や時間、経済的な余裕があるかどうかを考慮することが重要です。