お勝手・勝手口という言葉は、意味はわかるけれども使っている人は少ないのではないでしょうか。
台所の出入り口をお勝手や勝手口といいますが、なぜそういうのでしょうか?理由や語源・由来を調べてみました。
お勝手・勝手口の意味
お勝手とは台所のことで、勝手口は台所の出入り口のことです。
現在は、お勝手は台所、キッチンとよんでいます。
ただ台所の出入り口のことは、台所口とかキッチン口とはよばないです。勝手口か裏口とよびます。
構造上仕方がないのですが、マンション・アパートなどでは出入り口は玄関だけです。今や勝手口はなくても問題はないのですが、食材を運んだり、ゴミを出すことを考えると出入り口はあった方が便利です。
お勝手・勝手口の語源や由来
お勝手は「勝手」と丁寧語の「御」が頭につき、御勝手=お勝手とよばれるようになりました。その所にある出入り口なので勝手口とよばれるようになりました。
ここでは諸説ある「勝手」の語源・由来をそれぞれみてみたいと思います。
自由「勝手」に使えた場所だから
江戸幕府の台所(経済)をあずかる役所の「勝手方」から
茶道で人目につかずに出入りすること
茶道で点前や茶事のための準備や片付けをしたり、器物を納める場所のこと
囲炉裏のある板間のことを「カッテ」という
食べ物をあらわしている
女性の地位が低かった時代に、台所だけは女性が自由にできる場所、「勝手」に使えた場所なのでこう呼ばれるようになりました。
※地位が低い女性ではなくて、使用人ではないかとの説もあります。
江戸幕府では財務や行政などの役人や役所のことを「勝手方」といいます。それが庶民間でも広がり、台所(経済)のことを「勝手」と呼ぶようになりました。
「勝手」は弓道の右手が語源?
弓道では弓を持つ左手を「押し手」、弦を引く右手を「勝手」とよびます。
左手は固定、右手は自由が効ききます。自由にできる場所である台所を「勝手」と呼びました。
弓道の右手が「勝手」と言われるようになった理由は、
右手はもとは「刈手(かって)」という字でした。「刈る」とは、箙(えびら:矢を入れる道具)から矢を抜くことです。そして「刈手(かって)」が「勝手(かって)」に転じたようです。何故、「刈手」が「勝手」になったのか?一説には武士にとって、「勝利」することは重要で、縁起をかついで「勝手(かって)」になったのではとのことです。
室町時代から茶道で亭主の茶室の出入口のことを、勝手口(かってぐち)といいます。人目につかずに出入りするので台所の出入り口を「勝手口」とよんだのではと言われています。
室町時代から茶道で点前や茶事のための準備や片付けをしたり、茶の湯の道具の収納の場所を水屋といい「勝手」ともいいます。
語源:茶道についての「勝手」の語源を調べましたがわかりませんでした。
カッテは囲炉裏のある板間のことで火を使う料理は囲炉裏でしていたので料理をする場所を「カッテ」というようになった。ダイドコは土間のことです。
語源:調べましたがわかりませんでした。
「糧」が語源と言われています。「お勝手」は食べ物をあらわす「糧(かて)」が「かりて」になり「カッテ」になりました。
このようにいろんな説がありますが、確定されているものはありません。
台所の語源は「お勝手」とは違う
「お勝手」と台所の語源・由来は別物です。
台所とはお勝手と呼ばれる前の平安時代のことです。
貴族が家と離れた火を使う場所で料理を作る場所「厨(くりや)」から運んでいたのが家の中の料理を盛り付ける場所です。
この場所を「台盤所(だいばんどころ)」とよばれていて、後に台所となりました。
※ちなみに御台所(みだいどころ)とは、大臣・将軍家など貴人の妻に対してよばれた言葉です。