「忄 りっしんべん」の元の漢字は「心」です。心と言えば、心のつく漢字やしたごころの部首との違いはあるのでしょうか?意味や成り立ちを調べました。
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「忄 りっしんべん」は何の意味?
左側に「忄」がくる偏です。「忄」は「心」の字を立てて偏にしたものです。漢字で立心偏と書きます。
意味は「心」のことに関すること-感情や思考、また表情、性格といったものを表します。
部首は心部(しんぶ)に属します。
「忄 りっしんべん」と「こころ・したごころ」の違い
「りっしんべん」「こころ・したごころ」も部首は心部(しんぶ)に属します。
それぞれの違いは「りっしんべん」は字の位置が左にきます。「こころ」は変化せず、「したごころ」は位置が漢字の下部にきて、形も「⺗」に変化します。
それぞれ漢字の例をあげてみます。
「忄 りっしんべん」
忙、快、怪、性、怖、悔、憾
※憾は「忄」「心」両方ありますが、「りっしんべん」に分類されます。
「こころ」
志、忘、忠、急、思、恥、必
「したごころ」
恭、慕
※添は「したごころ」がありますが、部首は「さんずいへん」です。
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「りっしんべん」「こころ・したごころ」の成り立ち
「心」という字は心臓のかたちを描いた象形文字です。
心臓のかたちは、左右の心房(血液をためるところ)と心室(心房の下部にあり血液を送り出すところ)が分れた状態を表しています。
心室がひとつになり、心室から血管のようなものがついたかたちになりました。
金文(きんぶん)の文字→篆書体(てんしょたい)の文字→小篆(しょうてん)の文字
といった具合に、書体の変化に伴って次第に現在の「忄」「心」「⺗」といった部首に近づいてきました。
金文(きんぶん)での「心」
篆書体(てんしょたい)での「心」
※篆書体=漢字の書体の一種。秦代より前に使用されていた書体、周末の金文を起源。
小篆(しょうてん)での「心」
※小篆=漢字の書体の一種。秦代に李斯 (りし) が大篆を簡略化。
このように変化して、小篆(しょうてん)の文字から「忄」「心」「⺗」に変化しました。