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ら抜き言葉の問題点とは?「方言」か「正しい」のか見分け方【五段活用一覧】

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「ら抜き言葉」の問題点は何でしょう?「ら抜き言葉」が「方言」の場合もあります。らを抜いていない「正しい」言い方なのか見分け方もまとめました。

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ら抜き言葉の問題点とは?

ら抜き言葉の問題点とは、可能の意味の「◯られる」の「ら」を抜く言い方が、違う意味になることでしょう。

文化庁の言葉遣いに関することでは
「ら抜き言葉」を可能動詞形と受身・自発・尊敬と区別することを認めるという考え方や、話し言葉では認めてもいいのではという考え方もあるようです。
実際は、「ら抜き言葉」は現時点では誤りとされています。

国語審議会としては,本来の言い方や変化の事実を示し,共通語においては改まった場での「ら抜き言葉」の使用は現時点では認知しかねる
①話し言葉か書き言葉かによっても、違う面があること。
②一段動詞全体のどこまで及ぶか。語形の長さや使用頻度、また、活用形によって、「ら抜き」化の程度が異なると思われること。
③北陸から中部にかけての地域及び北海道など,従来「ら抜き言葉」を多く使う地域があるといった地域差の問題を考慮する必要があること。また、近年は東京語自体も様々な地域の言葉の流入によって変化しており、「ら抜き言葉」の方がリズムやスピード感があってよいとする声もあること。
出典:国語審議会の「ら抜き言葉」今後の観点

ら抜き言葉とは?

「ら抜き言葉」とはある動詞に可能の意味である助動詞「られる」が接続して「ら」を抜いた言葉のことです。

例として・・・
着られる(×着れる)
寝られる(×寝れる)
見られる(×見れる)
来られる(×来れる)
食べられる(×食べれる)
起きられる(×起きれる)

ら抜き言葉は正しいのか

可能動詞「られる」の「ら」を抜いた言葉は、文法からみると、正しくない言葉づかいでしょう。

ら抜き言葉は方言?

地方の方言(北陸・近畿・中部・中国・四国)では可能表現はもともとは「ら抜き」だったようです。

ら抜き言葉の似た表現

ら抜き言葉は、可能の意味をもつ「られる」の助動詞が接続した言葉です。

可能の意味をもつ「られる」の助動詞は「れる」もあります。

その他に「られる」「れる」が接続した3つの意味をもつ言葉があります。
受身・尊敬・自発です。一つ一つ説明しましょう。

【受身】の例文
部屋に入って「来られる」
友達に日記を「読まれる」
友達に日記を「見られる」

【尊敬】の例文
先生が今日「来られる」
先生が本を「読まれる」

【自発】の例文
今年は業績が上がると「見られる」
意気込みが「感じられる」
※自発は人の意志によらず、自然に物事が実現するときの表現です。

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ら抜き言葉の見分け方

動詞につく「られる」か「れる」を見分けられれば、ら抜き言葉かどうかわかります。その簡単な見分け方があります。

それは、動詞を「~しよう」と言い換えます。

~よう」に言い換えられれば「ら」を付けます。

例・・・
着る-着よう(×着ろう)→着られる
寝る-寝よう(×寝ろう)→寝られる
見る-見よう(×見ろう)→見られる
見せる-見せよう(×見せろう)→見せられる
居る-居よう(×居ろう)→居られる
食べる-食べよう(×食べろう)→食べられる
起きる-起きよう(×起きろう)→起きられる
(カ変)来る-来よう(×来ろう)→来られる

「~ろう」に言い換えられれば「ら」は付けない

例・・・
切る-切ろう(×切よう)→切れる
眠る-眠ろう(×眠よう)→眠れる
座る-座ろう(×座よう)→座れる
走る-走ろう(×走よう)→走れる
登る-登ろう(×登よう)→登れる
入る-入ろう(×入よう)→入れる

(サ変)する-さろう※サ変の「~ろう」は当てはめられません。→される

助動詞の「れる」と「られる」の違い

ら抜き言葉は、助動詞の「れる」と「られる」が接続して可能動詞になった言葉の「ら」を抜いた言葉です。

つまり、「られる」が接続した言葉しか、ら抜き言葉にはなりません。

そこで「れる」と「られる」の違いは何でしょう?
それは接続の法則が違います。

【「られる」の接続】

上一段活用、下一段活用、カ行変格活用(カ変)の動詞…未然形に、「られる」が接続。

上一段活用とは、全ての活用語尾に五十音図のイ段の音が入り、それに「る、れ、ろ」が付くという形で変化する。
【上一段活用の例】
「着る」「似る」「煮る」「見る」「射る」「鋳る」「居る」
例・・・着られる、似られる?、煮られる、見られる、射られる、鋳られる、居られる
※但し、「似られる」とは言わないですね。「似れる」とも言いません。

下一段活用は、活用語尾に、五十音図のエ段の音が入る。それに「る、れ、ろ」が付くという形で変化する。
【下一段活用の例】
「見える」「得る」「受ける」「告げる」「見せる」「混ぜる」「捨てる」
例・・・
見えられる?、得られる、受けられる、告げられる、見せられる。混ぜられる、捨てられる
※「見える」は、もとは古語の「見ゆ」。動詞「見る」の活用形+自発の助動詞「ゆ」なので、可能動詞はつきません。

カ行変格活用は、活用語尾が、五十音図のカ行の音をもとにして、変則的な変化をします。この活用は「来る」一語のみです。
例・・・来られる

【「れる」の接続】

五段活用の動詞、サ行変格活用(サ変)の動詞…未然形に、「れる」が接続する。
※未然形=未来のこと・・まだ~ない
例・・・
切る-切れ(×切られる)
眠る-眠ら-眠れる(×眠られる)
座る-座れる(×座られる)
走る-走れる(×走られる)
登る-登れる(×登れる)
入る-入れる(×入られる)

(サ変)する-される(×さられる)

※同じ発音の「着る」と「切る」ですが、「切る」が五段活用の動詞に入るのは例外です。

ら抜き言葉の五段活用一覧

「ら抜き言葉」は上一段活用、下一段活用、カ行変格活用(カ変)の動詞から可能動詞を接続した言葉から「ら」を抜いた言葉です。

上一段活用、下一段活用、カ行変格活用(カ変)五段活用の一覧です。
上一段活用(口語)

上一段活用(口語)

基本形活用形
語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形
ア行老(お)いる-い-い-いる-いる-いれ-いろ・-いよ
居(い)る(居)いるいるいれいろ・いよ
カ行起(お)きる-き-き-きる-きる-きれ-きろ・-きよ
着(き)る(着)きるきるきれきろ・きよ
ガ行過(す)ぎる-ぎ-ぎ-ぎる-ぎる-ぎれ-ぎろ・-ぎよ
ザ行閉(と)じる-じ-じ-じる-じる-じれ-じろ・-じよ
タ行落(お)ちる-ち-ち-ちる-ちる-ちれ-ちろ・-ちよ
ナ行煮(に)る(煮)にるにるにれにろ・によ
バ行浴(あ)びる-び-び-びる-びる-びれ-びろ・-びよ
マ行染(し)みる-み-み-みる-みる-みれ-みろ・-みよ
見(み)る(見)みるみるみれみろ・みよ
ラ行降(お)りる-り-り-りる-りる-りれ-りろ・-りよ

上一段活用(文語)

基本形活用形
語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形
カ行着(き)る(着)きるきるきれきよ
ナ行似(に)る(似)にるにるにれによ
ハ行干(ひ)る(干)ひるひるひれひよ
マ行見(み)る(見)みるみるみれみよ
ヤ行射(い)る(射)いるいるいれいよ
ワ行居(ゐ)る(居)ゐるゐるゐれゐよ

下一段活用(口語)

基本形活用形
語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形
ア行見(み)える-え-え-える-える-えれ-えろ・-えよ
得(え)る(得)えるえるえれえろ・えよ
カ行受(う)ける-け-け-ける-ける-けれ-けろ・-けよ
ガ行告(つ)げる-げ-げ-げる-げる-げれ-げろ・-げよ
サ行見(み)せる-せ-せ-せる-せる-せれ-せろ・-せよ
ザ行混(ま)ぜる-ぜ-ぜ-ぜる-ぜる-ぜれ-ぜろ・-ぜよ
タ行捨(す)てる-て-て-てる-てる-てれ-てろ・-てよ
ダ行茹(ゆ)でる-で-で-でる-でる-でれ-でろ・-でよ
出(で)る(出)でるでるでれでろ・でよ
ナ行尋(たず)ねる-ね-ね-ねる-ねる-ねれ-ねろ・-ねよ
寝(ね)る(寝)ねるねるねれねろ・ねよ
ハ行経(へ)る(経)へるへるへれへろ・へよ
バ行食(た)べる-べ-べ-べる-べる-べれ-べろ・-べよ
マ行求(もと)める-め-め-める-める-めれ-めろ・-めよ
ラ行入(い)れる-れ-れ-れる-れる-れれ-れろ・-れよ

下一段活用(口語)

基本形活用形
語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形
カ行蹴(け)る(蹴)けるけるけれけよ
出典:Wikipedia

言葉は、歴史とともに変化していきます。「ら抜き言葉」もいずれは、通常の日本語として組み込まれていくのではないでしょうか。

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